「Clash of Clans」(以下、クラクラ)では、他のプレイヤーの村を侵略して、多くの資源を奪いたいですよね。
そのため、防御が薄く、資源を多く持っている村を効率よく攻撃して、資源をたくさん奪える方法がわかれば便利です。
では、資源が多いとは、どのくらいの量を指すのでしょうか。5万?10万?それとも50万?でしょうか。私はなんとなく、20万ぐらいかなと思っていました。ですが、それは感覚的・主観的なイメージですよね。そこで、これから侵略する対戦相手が略奪可能な資源をどの程度持っているかを次の状況で調査してみました。
集計方法
調査期間 | 2013年7月 |
---|---|
侵略側のタウンホールレベル | 6 |
侵略側のトロフィー | 1000~1999 (シルバーリーグII) |
侵略側のプレイヤーレベル | 41~44 |
調査した対戦相手数 | 1233人 |
調査した値 | 略奪可能なゴールドとエリクサーの量 |
調査結果
分布 | ゴールド | エリクサー |
---|---|---|
5万未満 | 50.7% | 45.8% |
5万以上10万未満 | 29.8% | 32.0% |
10万以上20万未満 | 14.1% | 16.8% |
20万以上30万未満 | 3.6% | 2.9% |
30万以上40万未満 | 1.2% | 1.5% |
40万以上 | 0.6% | 1.1% |
平均値 | 69,745 | 75,746 |
中央値 | 49,320 | 54,771 |
最大値 | 572,976 | 582,619 |
最小値 | 1,575 | 543 |
ゴールド・エリクサーともに50%近くの対戦相手は5万未満の資源しか持っておらず、約30%が5~10万で、資源量が増えるごとに人数も減っていくという結果になりました。1%前後と数は少ないものの、ゴールドもしくはエリクサーを40万以上持っている資源たんこもりの対戦相手も観察されました。
平均してみると、ゴールドとエリクサーの保有量に大きな偏りはなく、どちらも同じぐらい持っているといえます。これは、少なくともこのレベルでは、ゴールドかエリクサーのどちらか一方があまりがちになることは少ないことを示唆しています。もしゴールドかエリクサーのどちらかがいつも不足しているような村では、資源の使い方が偏っている可能性があるかもしれません。
そのため、少なくともこのレベルにおいて、ゴールドとエリクサーのどちらかの価値が高いわけではないといえそうです。そうならば、ゴールドとエリクサーの合計量を多く取れる村がわかればいいのではないでしょうか。そこで、ゴールドとエリクサーの合計量(総略奪可能量)について見てみます。
分布 | 総略奪可能量 |
---|---|
10万未満 | 43.7% |
10万以上20万未満 | 36.1% |
20万以上30万未満 | 11.4% |
30万以上40万未満 | 4.4% |
40万以上50万未満 | 1.6% |
50万以上60万未満 | 1.2% |
60万以上70万未満 | 0.9% |
70万以上 | 0.6% |
平均値 | 145,492 |
中央値 | 111,579 |
最大値 | 1,155,595 |
最小値 | 3,600 |
先ほどのゴールとエリクサーのグラフと同じようなグラフになりました。ゴールドとエリクサーを足していますので、単位は倍になっていますが、ほぼ同じグラフといえます。
さて、ここまでが調査結果です。この調査結果から、どの程度資源を持っているプレイヤーを狙えば効率よく資源を奪えるかを考察してみます。
考察
対戦相手の資源量がどの水準にあるときに侵略すれば、最も多くの利益を得られるかを考えていきます。
話を単純化するために、次の行動基準のうち、どの行動基準が最も得か(=1回の侵略での利益が最も多くなるか)を考えることにします。途中で侵略の基準を変更しないとして計算します。
- 総資源量が20万以上なら侵略する。総資源量が20万未満なら次を探す。
- 総資源量が30万以上なら侵略する。総資源量が30万未満なら次を探す。
- 総資源量が40万以上なら侵略する。総資源量が40万未満なら次を探す。
- 総資源量が50万以上なら侵略する。総資源量が50万未満なら次を探す。
- 総資源量が60万以上なら侵略する。総資源量が60万未満なら次を探す。
- 総資源量が70万以上なら侵略する。総資源量が70万未満なら次を探す。
また、1回の戦闘で略奪できる資源の割合(略奪率)が変わった時に影響が出るかどうかも計算します。略奪率は、25%~100%として計算しました。トータルで見て25%以下しか奪えないことはないと思いますので、妥当な範囲ではないでしょうか。
計算式は次のとおりです
予想利益 = 相手の総資源量 x 略奪率 - 250 / 相手が出現する確率
「250 / 相手が出現する割合」はあらかじめ想定した相手が現れるまでの相手選びのコストの平均値となります。
※タウンホールレベル6では、1人選ぶために250ゴールドかかるため。
さて、最もおいしい相手の資源量は30万でしょうか。40万でしょうか。
えっ!?あれ!?
当初の予想とは異なり、グラフが完全に右上がりです。総資源量が30~40万の感覚的にはかなり美味しそうな相手を侵略するよりも、ほとんど見たことがない70万以上の資源を持っている相手だけを厳選して侵略することが最も効率的に資源を獲得できる、という結果になりました。
今まで私は20万や30万の資源量の相手を倒して喜んでいましたが、20万程度の資源を持ったプレイヤーに攻撃を仕掛けることはあまりお得ではないといえそうです。20万や30万の資源を持つプレイヤーを攻撃するよりも、もっと資源をため込んでいる相手に出会うまでは「次を探す」ボタンを押し続ける方が、より多くのリターンがあります。対戦相手を選ぶためのコストを差し引いたとしてもです!
70万以上の資源を持つ相手というのは確率的に非常に少ない(0.6%)ため、感覚的には、そうした相手を探すのは無理なようにも思えますが、確率的には資源が20万や30万のプレイヤーとは対戦せずに70万以上の資源を持つプレイヤーが見つかるまで待つ方がより儲かるといえるでしょう。
ただし、70万以上の相手を探す場合、平均して200回ほどは「次を探す」ボタンを押さなければなりませんので、利益を増やすための作業であるという割り切りができないと、クラクラのプレイが苦痛になってしまうかもしれません。もし、あなたが根気よく対戦相手を探すことが出来るのならば、70万以上の資源を持っている相手に巡り合うまでは「次を探す」ボタンを押すことをお勧めします。もし、200回も「次を探し」たくないというのであれば、50万以上(40人に1人)や40万以上(25人に1人)、30万以上(10人に1人)の資源を持っている相手を探し続けてみてはどうでしょうか。少なくとも資源が20万(5人に1人)のプレイヤーを攻撃するよりはずっと利益が出ます。
実際にどの程度の利益が上がるかを実際に侵略を行うことで調べてみました。30万以上の資源を持っていて、しかも資源を奪いやすそうな相手を選んで19回侵略を行ってみました。結果は平均324,599の収穫でした。19人と対戦するために探したプレイヤーの数は733人で、対戦相手を探すためのコストを差し引くと、1回あたり314,953の資源を獲得できたことになります。どうですか?20万の資源しかもっていない相手を探すのはもったいない攻め方だと思いませんか?
まとめ
資源を持つ富める者を狙え。富豪を狙い撃ちにするのだ!
可能な限り多くの資源を持っているプレイヤーを探すことが望ましい。資源が20万程のプレイヤーと対戦することは時間の無駄になる可能性が高い。
ただし、70万以上の資源を持つ相手はほとんどいません(0.6%)ので、確率的にはプラスにはなっても実際に実行に移すと心が折れる可能性が強く考えられますので、この侵略方針は用法用量をよく守り正しくお使い下さい。
ゲームを楽しむためには、50万以上(40人に1人)や40万以上(25人に1人)、30万以上(10人に1人)の資源を持っている相手を探し続けてみてはどうでしょうか。少なくとも資源が20万(5人に1人)のプレイヤーを攻撃するよりはずっと利益が出ます。
補足
今回の調査結果は、集計方法で挙げた場合の結果がですので、全てに当てはまるわけではありません。ですが、感覚的に「このぐらいの相手が儲かるかな?」という基準で対戦相手を選ぶよりも、確率的に見て美味しい対戦相手はもっともっと資源を持ったプレイヤーだということがわかったことは大きな収穫ではないでしょうか。
なお、今回の調査では次のケースは考慮されていません。
- 1日の時間帯による変化はあるのか?
- 1週間のうちでの曜日による違いはあるのか?
- シーズンによる違いはあるのか?
- タウンホールレベルによる違いはどの程度か?
- トロフィー数による変化はどの程度か?
- 対戦相手によって、奪いやすさはどの程度変わるのか?
- 資源が多くなると奪いにくくなったりするのか?
- 80万以上の資源を持っているプレイヤーは?
- 1回の侵略にかかる訓練時間・訓練コスト
- 対戦相手を選ぶための時間的コスト
- ダークエリクサーについて
これらのケースついては、さらなる調査によって示唆を得ることが望まれます。
なお、夜に比べて日中の方が資源を多く持っているプレイヤーが多く観察されましたが、調査した時間を記録していなかったため、今回は考慮しないものとしています。早朝が一番おいしいという話もありますが、クラクラは世界中でプレイされているため、日本人の行動パターンが資源量にどの程度の影響を与えているのかも不明ですので、予断を許しません。