Clash of Clans(以下、クラクラ)でマルチプレイ対戦をすると、トロフィーが増減します。このトロフィーの計算式は公開されていませんが、データを解析することで計算式がわかりましたので、ご紹介します。
※ややこしい計算が嫌だという方はトロフィー数変化の早見表をご覧ください。
感覚的には次の法則がありますが、より正確な計算式をお知らせします。
- 自分よりもトロフィーの多い相手に勝てば、トロフィーが多くもらえる
- 自分よりもトロフィーの少ない相手に勝っても、トロフィーはあまりもらえない
- 自分よりもトロフィーの少ない相手に負けると、トロフィーを多く失う
- 自分よりもトロフィーの多い相手に負けても、トロフィーはあまり失わない
- 勝ってトロフィーが減ることはない。増えるか、変化しないかのどちらかになる。
- 負けてトロフィーが増えることはない。減るか、変化しないかのどちらかになる。
完勝時のトロフィー計算式
こちらから攻撃して、完勝した時のトロフィー計算式とトロフィーの変化グラフは次のようになります。Aは防衛側のトロフィー数、Bは攻撃側のトロフィー数を表しています。
主なトロフィー差での変動は次の表のようになります。
トロフィー差(A-B) | -800 | -400 | -200 | -100 | 0 | 100 | 200 | 400 | 800 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
トロフィー変化数 | 0 | +5 | +14 | +21 | +30 | +38 | +45 | +54 | +59 |
具体例としては、トロフィーが1000の時に、トロフィー1200のプレイヤーに勝つと45増え、トロフィー1000のプレイヤーに勝つとトロフィーが30増え、トロフィー800のプレイヤーに勝つとトロフィーが14増えます。
補足
- 小数点以下は切り捨てられる。
- ☆1個獲得時は完勝時の3分の1(小数点以下切り捨て)になる。(※1)
- ☆2個獲得時は完勝時の3分の2(小数点以下切り捨て)になる。(※1)
- 勝った場合、0~59トロフィー増える。
- トロフィーが709以上上の相手に勝つと、トロフィーは最も多く増える(59)。
- トロフィーが709以上下の相手に勝っても、トロフィーは増えない(0)。
※1:ただし、完勝時の小数点以下を切り捨てる前の値を1/3してから小数点以下を切り捨てる。
敗北時のトロフィー計算式
こちらから攻撃して、敗北した時のトロフィー計算式とトロフィーの変化グラフは次のようになります。Aは防衛側のトロフィー数、Bは攻撃側のトロフィー数を表しています。
主なトロフィー差での変動は次の表のようになります。
トロフィー差(A-B) | -800 | -400 | -200 | -100 | 0 | 100 | 200 | 400 | 800 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
トロフィー変化数 | -39 | -36 | -30 | -25 | -20 | -14 | -9 | -3 | 0 |
具体例としては、トロフィーが1000の時に、トロフィー1200のプレイヤーに負けると9減り、トロフィー1000のプレイヤーに負けるとトロフィーが20減り、トロフィー800のプレイヤーに負けるとトロフィーが30減ります。
補足
- 小数点以下は切り捨てられる。
- 負けた場合、0~39トロフィー減る。
- トロフィーが637以上下の相手に負けると、トロフィーは最も多く減る(39)。
- トロフィーが637以上上の相手に負けても、トロフィーは減らない(0)。
豆知識:レイティングの計算
クラクラでトロフィー数の変化式として使われた計算式は、イロレイティングの計算式として知られているものです。将棋やチェスなどの2人で対戦するゲームのレイティング(プレイヤーの実力を計測する指標、レーティングと表記されることもある)の計算に使われているもので、自分のレーティングをA、対戦相手のレーティングをBとした時に次の計算式で表されます。
Kは「K値」と呼ばれ、トーナメントの格式やレベルによって変動する値です。レベルの高いトーナメントや対戦では高い数値が用いられ、レイティングの変化幅も大きくなります。一般的には2のn乗の値(2,4,8,16,32,...)が用いられることが多いです。
Pは「勝ち点」と呼ばれ、0から1の範囲内の値をとります。勝った場合に1、引き分けの場合に0.5、負けた場合に0とすることが多いです(引き分けのあつかいは競技によって異なる)。
この計算式を用いると、強いプレイヤーはレイティングが高くなり、そうでないプレイヤーはレイティングが低くなり、実力の近いプレイヤー同士はレイティングが近くなります。理論的には同じ実力のプレイヤーは同じレイティングになります。また、プレイヤーAがプレイヤーBよりもレイティングが400多い時、プレイヤーAはプレイヤーBと10戦した時に、だいたい9勝1敗となる実力を持っていると言えます。クラクラのトロフィー数の計算式は、レイティングの計算式を使用していますので、トロフィー数はプレイヤーのレイティング(実力)を表していると言えます。
ただし、クラクラのトロフィー計算には面白い特徴があって、対戦で勝利した時のK値(60)と敗北した時のK値(40)が異なります。一般的に、レイティングの計算に使われるK値は決まっており、勝っても負けても同じ値を使用しますが、クラクラでは勝敗によって、K値が異なる値になります。
これは、勝負の結果が「勝ち・負け(・引き分け)」である将棋やチェスなどとは異なり、「勝ち(☆1つ)・勝ち(☆2つ)・勝ち(☆3つ)・負け」と勝ちは勝ちでも重みの異なる勝ちが存在していることで引き起こされる現象といえます。一般的なレイティング計算では、同じレイティングのプレイヤー同士が対戦し、勝ち数と負け数が等しい状態の時に、レイティングの変動は理論上なくなります。しかし、この状態をクラクラに適応すると、同じレイティングのプレイヤー同士が対戦し、勝ち数と負け数が等しくなった時に同じレイティングを維持するためには、勝った時の平均獲得トロフィーが負けた時の平均損失トロフィーと同じ値にならなければなりません。
ここでK値が60と仮定して「勝ち(☆1つ)・勝ち(☆2つ)・勝ち(☆3つ)・負け」の状態の時のトロフィー数の変動を計算してみると、次のようになります。
勝ち・負けの状態 | トロフィーの変動数 |
---|---|
勝ち(☆3つ) | +30 |
勝ち(☆2つ) | +20 |
勝ち(☆1つ) | +10 |
負け | -30 |
勝ちの状態には「勝ち(☆1つ)・勝ち(☆2つ)・勝ち(☆3つ)」の3つがありますから、もし、これらの状態が同じ確率で起こるとすると、これら3つの状態における平均獲得トロフィーは+20となります。勝つ確率が50%、負ける確率が50%とすると、当初同じ実力を持っていたプレイヤーは攻撃すればするほど、トロフィーが減っていくことになってしまいます。これでは、レイティングのつじつまが合いません。そこで、負けた時のK値を40に減らしてみると
勝ち・負けの状態 | トロフィーの変動数 |
---|---|
勝ち(☆3つ) | +30 |
勝ち(☆2つ) | +20 |
勝ち(☆1つ) | +10 |
負け(K=40) | -20 |
となり、計算が合います。クラクラでは、勝ちの状態を「勝ち(☆1つ)・勝ち(☆2つ)・勝ち(☆3つ)」の3パターンとして、それぞれでトロフィー数の変動値を変えているために、勝った時のK値と負けた時のK値が異なる値を採用していると言えそうですね。
参考ウェブサイト
追記
AとBが逆になっていたため、訂正。Aが防御側のトロフィー数。Bが攻撃側のトロフィー数でした。
計算がややこしいので、トロフィー数計算の早見表を作成しました→トロフィー数変化の早見表